スマートメーターと分電盤、EV充電器のよい関係

普及が進むスマートメーターですが、EV充電設備を導入する際にはスマートメーターへの切り替えをおすすめします。

 この夏、補助金を利用したEV充電器の設置工事の依頼が増えていますが、既存の建物にEV充電器を設置する際にいくつかハードルがあります。

 大電流が流れるEV充電設備には専用のブレーカーが必要なのですが、既設の分電盤にブレーカーを増設する空きスペースがないことが少なく有りません。
もちろん、隣に分電盤を増設することで対応できるのですが、それよりも分電盤からEV充電設備までの電路を新たに引くことがかなりやっかいです。
建築物の構造にもよりますが、コンクリート建築だと壁のコア抜きが必要となったり、増設する電線管が美観にも影響してきます。
引き込みから直接、EV充電設備に電気を引きたいところですが、電力会社のメーターとサービスブレーカーの間に電気設備を設置することは認められていません。
EV充電器は車庫や屋外など分電盤から遠い場所にあることがほとんど。電路の設計は悩ましいものです。

 そこでスマートメーターです。電力会社のスマートメーターには120Aまでのサービスブレーカー(SB)が内蔵されており、SB設定で交換を依頼すればメーターの二次側に電気工作物を設置することが可能となります。
今まで分電盤から行って帰ってこいという電路でしか対応できなかった電路工事の場合でも、スマートメーターに切り替えることで電路の選択肢を増やすことが可能となります。

※こちらのスマートメーターのサービスブレーカー有効にして二次側にEV充電器を設置する工事は個人宅ではできません。理由は主ブレーカーの容量が契約と結びついているためです(極論を言えば120Aの契約ができるなら可能です。しかし住宅は60Aまでしか契約できません)。デマンド契約などが可能な集合住宅や商業施設などに限られます。